大相撲の荒磯親方(33=元横綱稀勢の里)が11月30日、千葉市稲毛区の商業施設で行われたトークショーに出演した。

お笑いコンビでペナルティのヒデ(48)をMCに、フルーツポンチの村上(38)、亘(39)とともに軽妙なトークに花を咲かせた。入門から初優勝まで約15年かかった“遅咲き”について問われると「すごく長かった。あと1勝で優勝という、自分は準優勝が12回もあって、場所が終わった月曜日は、本当に嫌な月曜日だった」と語った。親方業として現在、後進の指導にあたっていること、本場所中は警備係を担当していることなど紹介。休日の過ごし方については「引退からここまで、あいさつ回りで休みは1日もない」といい、強いて言えば趣味として「最近はゴルフを少しずつ、運動がてらやってます」と明かした。

現役時代の最大のライバルを問われると「苦手な力士は多かった。最終的には白鵬関に勝たないと優勝はできない、横綱にもなれないと思い、横綱(白鵬)に関しては、かなり研究させてもらった」と入念に対策を施していたことを明かした。引退会見でも話したように、一番うれしかった白星については、初優勝と横綱昇進を決めた17年初場所の千秋楽・白鵬戦を挙げた。「14日目に優勝は決めていましたが、ここで負けたら今後の相撲人生ずっと負けるのかなと。ここで負けたら男じゃないぞ。と思って臨んだ」と懐かしそうに振り返った。

指導者として「基本にこだわりたい。人間は利き腕も育った環境も違う。技は十人十色だけど、基本は一致している。そこは根気強く徹底したい」とした。最後に「今まで食べたもので一番おいしかったものは」のソフトな質問に「今年一番うまかったもの」と限定しながら「この前(九州場所で滞在した九州で)たまたま通りかかった時に食べた(佐賀県)唐津の唐津バーガー。これはうまかった」と“庶民派”の素顔をのぞかせた。

約20分間のトークショーを終え、荒磯親方は「芸人さんは、しゃべりがうまい。引っ張ってもらいました」と言って笑った。今後も「大相撲を広めるために、少しでも国技館に足を運んでもらうためにも」と知名度を生かして、土俵外でも積極的に普及活動に協力する姿勢を示した。