横綱白鵬(34=宮城野)が自ら主催し、第10回の記念大会を迎えた白鵬杯(世界少年相撲大会)が2日、東京・両国国技館で世界から13カ国・地域の小・中学生約1100人を集めて開催された。会場には、橋本聖子五輪相(55)も駆けつけ激励した。大会は142チームによる団体戦と個人戦で、ともにトーナメント形式で争われる。

10年の第1回大会は107チーム、741人を集め大阪で開催。3回大会は東京・有明コロシアム、そして4回大会以降は両国国技館で開催され規模も大きくなった。節目の大会に白鵬は「たくさんのことを乗り越え、積み重ねてたどり着いた。感謝、感謝の言葉しかない」と感慨深げに話した。

第1回大会では、中学生の団体戦で青森県が優勝。その時のメンバーだった現在、幕内力士の阿武咲(23=阿武松)に白鵬は表彰式でメダルを首にかけた思い出がある。17年九州場所では初対戦も実現。「1つの夢がかなった」と話していた。「海外や全国からこの聖地に来て、世界一を目指してもらうのが1つ(の目的)。そして、ふるさとに戻って入門したい、という子が1人でも増えれば大会は成功だと思う」と白鵬。その待望する力士像については「昭和の相撲が好きでよく見ている。みんな型をもったくせ者。横綱、大関と倒せる、そんな型を持った力士になってもらいたい」と夢をはせた。

また今大会には、中国からも選手が来日する予定だったが、感染が拡大している新型コロナウイルスの影響で、来日はかなわなかった。それについて白鵬は「本当に残念。いずれ、このウイルスも落ち着くと思うから、その時にまた呼んであげたい。手洗い、マスクを着けて頑張って」と相撲少年にエールを送っていた。