大相撲の関脇朝乃山(25=高砂)が2日、東京・豊島区の金剛院で行われた「椎名町街づくり豆まき会」に参加した。部屋付きの錦島親方(元関脇朝赤龍)が現役時代から参加している催しで、この日の来場者は計4000人。節分の日は3日だが、ひと足早く邪気を払う役目を担った。

約20個の豆が入っている袋を、片手で数袋つかんで投げ飛ばした。小4から3年間、相撲と並行してハンドボールも習っており、ゴールキーパーとして富山県の強化選手にも選ばれたことがある朝乃山。「ソフトボール投げでも(周囲に比べて)結構飛ばせた方でした」と肩には自信があったが、豆が軽すぎて「全然飛ばなかったです」と苦笑いを浮かべた。

池袋も“初上陸”だった。「何も分からない場所。チャラい、若い人が来るイメージです」。会場の最寄り駅、椎名町駅は池袋駅から西武池袋線で1駅で目と鼻の先。着物にまげ姿で目立つ力士には縁のない場所だという。

小結だった昨年九州場所で11勝、新関脇だった初場所で10勝を挙げ、春場所(3月8日初日、エディオンアリーナ大阪)が大関とりになる。「三役で3場所33勝」が大関昇進の目安で、12勝前後の白星が求められる見通し。前日1日には「(大関候補の筆頭として)そう思われるようになってきた。協会やファンの期待に応えたい。まずは体をつくって、前よりも体を強くしたい」と話していた。周囲の期待も感じながら、さらなる成長を期す。