大相撲7月場所で5年ぶり2度目の優勝を果たした大関経験者の前頭照ノ富士(28=伊勢ケ浜)が10日、秋場所(9月13日初日、東京・両国国技館)に向けて本格的に始動した。

7月場所の千秋楽後、初めて都内の部屋でまわしを締めて稽古を行った。四股やすり足などの基礎運動に加えて、1つ10キロのダンベルを使って体を動かした。大相撲史に残る復活劇を成し遂げて1週間。「いろいろな方々に祝福していただき、改めて(優勝を)実感しています。番付が落ちているときも変わらず応援してくれた方たちからのお祝いの連絡がうれしかったです」と感謝した。

6日には母校の鳥取城北高を表敬訪問し、石浦外喜義校長らに優勝を報告した。新型コロナウイルス感染拡大の影響で高校相撲でも大会が軒並み中止となったが、その中で後輩たちを勇気づける活躍を見せた。「後輩たちに、インターハイなど大会の機会がなくなってしまったけど、腐らずに毎日の努力がすごく大事だと思うので『頑張ってほしい』と伝えました。いま伊勢ケ浜部屋に鳥取城北から(入門した力士)は自分だけなので、励みにもなるし、教えてもいけるので『今の状況が落ち着いたらぜひ部屋に来てください』と伝えました」とエールを送った。

すでに約1カ月後に迫っている秋場所は、上位総当たりとなる見通しだ。序二段からはい上がった28歳は「特別誰というのはありません。当たる相手は誰でも関係なくやれることをやるだけなので」と淡々としていた。