大相撲秋場所(13日初日、東京・両国国技館)で新入幕を果たした西前頭16枚目豊昇龍(21=立浪)が、幕内デビューに向けて調整のペースを上げた。元横綱朝青龍をおじに持つサラブレッドは、番付発表から一夜明けた1日、茨城・つくばみらい市の部屋で関取衆や若い衆を相手に計8番相撲を取った。電話取材に応じ「番付発表の次の、初の稽古なので軽くトレーニングしたり、軽く相撲を取った」とコメント。3月の春場所、7月場所で不安を抱えていた腰の状態についても「大丈夫だと思う」と力強く話した。

新入幕の吉報は故郷モンゴルでも反響があり「(連絡は)ありました。『おめでとうございます』と。ニュースになっていると思う」と喜んだ。新十両昇進が決まった昨年10月に帰郷して以来、モンゴルに戻っていないため、寂しい思いは「します」と答えつつも「やっぱり目指していることがあるので、それのために頑張らないといけない」。いまは早期の出世に向けて相撲に打ち込む。

7月場所では同学年の東前頭12枚目琴勝峰(21=佐渡ケ嶽)が8勝7敗で勝ち越した。高校時代から対戦経験があり、大相撲では2戦2敗。「なんか熱くなってしまう。高校のときは勝てたけど大相撲では勝ったことがない」と特別視。99年度生まれの同世代では元横綱大鵬の孫、納谷も幕下上位で奮闘しており「強いのになんで上がってこないんだろうと思う」と、関取昇進を待ち望んでいた。

2週間を切った初日までに「できれば何キロでもいいから太りたい」と、現在131キロの体重を増やすことが目標だ。トマトなど「好き嫌いは多い」タイプだが、間食にお茶漬けなどをかき込んで食事量を増やしている。

今場所は幕内下位だが、将来的には横綱、大関との対戦も熱望している。「そのうち戦うんじゃないですか。フフフ」と不敵に笑った。【佐藤礼征】