大相撲の大関貴景勝(24=千賀ノ浦)が28日、観客の上限が2500人から5000人に引き上がる11月場所(8日初日、東京・両国国技館)に向けて、感謝の思いを語った。

電話取材に応じ、観客が増えることについて「もうすごいうれしいですね。やっぱりお客さんの中で相撲を取るのは何よりの力になる。多ければ多いほどやりがいがある。ありがたいことですね」と話した。

3月の春場所は無観客で、7月場所、秋場所では観客を入れたものの歓声は飛び交わなかった。「プロである以上、どんな状況でも力出さないといけないですけど、やっぱりお客さんいた方が、目に見えない100%以上の力が出る」。ファンの存在を力に11月場所に臨む。

16日から両国国技館内の相撲教習所で行われた合同稽古には計4日間参加。新大関の正代との三番稽古では計35番と番数を重ねた。「優勝した力士と体を合わせてしっかり身になるものがあったと思う」と収穫があった様子。この日は基礎運動を中心に下半身を鍛えるなど、体づくりに励んだ。

同部屋の隆の勝(25)が27日の番付発表で西の関脇についた。「強くなってるから関脇に上がった。昔から出稽古をよくやっていた。肌を合わせていく中で、参考になる部分はたくさんある」。2人の活躍で千賀ノ浦部屋をさらに盛り上げる。

大関優勝は17年初場所の稀勢の里が最後で、約4年遠ざかっている。自身の優勝時の番付は小結。「焦りはないけど、ただ毎場所優勝に向けて稽古をしているので、優勝したいなと自然に思う」。秋場所では12勝3敗で優勝次点。1年納めの場所で無念を晴らす。