大相撲の横綱鶴竜(35=陸奥)が3日、朝稽古後に電話取材に応じ、自身が所属していた井筒部屋の建物が解体されることを明かした。

元井筒部屋所属だった力士が2日にSNSに解体するとの情報をあげ、報道陣に問われた鶴竜は「知っています。OBの皆さんで、ちょっと寂しいなっていう感じでやりとりはしています」と認めた。解体工事の時期については「もう始まるんじゃないかなと思っています」と話した。

01年9月に来日し、井筒部屋に入門。19年9月に先代井筒親方(元関脇逆鉾)が死去して現在の部屋に転属するまでの18年間、井筒部屋で過ごした。

「本当にただただ、もう壊されちゃうのかっていう。そういう寂しい気持ちだけですね」。苦楽を過ごした空間なだけに「自分の家みたいなもんですから。いろんな思い出があります。写真や映像で残ってますけど、実際にはもうなくなっちゃうわけですから」と話した。

当然、思い出も「数え切れないくらいあります。話せば話すほど、思い出せば思い出すほどいっぱいあります」と語り尽くせない様子だった。部屋は解体されても「それは消えることはない。自分が生きている以上、その記憶はなくなることはないですからね」と先代井筒親方の教えは、これからも心の中で生き続ける。

腰痛などの影響で2場所連続休場中で、11月場所(8日初日、東京・両国国技館)に向けては「まだ足りないって感じ。コロナになる前にいつもやってたことと比べると足りないのかなと感じます」と、調整は思ったようには進んでないという。相撲を取る稽古も出来ていないといい「出たときにちゃんと結果を出さないといけない。8番でいいやとか、そういうのはダメだと思います」と話した。