八角理事長(元横綱北勝海)が11月場所初日の協会あいさつに臨み、白鵬、鶴竜の両横綱が初日から不在となっていることについて「大変遺憾」と話した。2場所連続で複数の横綱全員が初日から休場するのは、1場所15日制が定着した49年夏場所以降では初。八角理事長は「力士は厳しい稽古を行いながら毎日の稽古の成果を発揮し、白熱した相撲でご期待にお応えすることと存じます」と、出場力士の奮起を期待した。

あいさつの全文は以下の通り。

初日にあたり謹んでごあいさつを申し上げます。はじめに新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになられた方のご冥福をお祈り申し上げます。またウイルスに感染された皆さまには1日も早いご回復を祈念し、お見舞いを申し上げます。

そして現在も新型コロナウイルスと感染症の対応をなされている全国の医療従事者の皆さまに心から敬意を表するとともに、協会員の検査や診療のご尽力をたまわった医療従事者の皆さまにはこの場を借りて深く感謝申し上げます。

本来11月場所は福岡での開催ではありますが、移動や長期滞在でのウイルス感染を勘案し、国技館での開催となりました。

今場所もお客様をお迎えするためにより一層安心、安全な大相撲観戦を目指して感染症の専門家のご指導の下、さらに綿密な感染防止策を講じております。お客様にはさまざまなお願いをしておりますが、ご協力をいただきますようお願い申し上げます。

横綱の休場は大変遺憾ではございますが、力士は厳しい稽古を行いながら毎日の稽古の成果を発揮し、白熱した相撲でご期待にお応えすることと存じます。

今後も協会員は一丸となり大相撲の伝統文化の継承、発展のため努力してまいります。何とぞ千秋楽まであたたかいご支援をたまわりますようお願いを申し上げ、ごあいさつといたします。令和2年11月8日、公益財団法人日本相撲協会、理事長、八角信芳。