看板力士が次々と消える寂しい土俵を東十両13枚目の宇良(28=木瀬)が「居反り」の大技で盛り上げた。旭秀鵬を相手に決め、3勝2敗と白星を先行させた。十両以上では93年初場所の十両智ノ花(元小結智乃花、現玉垣親方)が決めて以来27年ぶり。新大関正代(29=時津風)が左足首の負傷で休場。2横綱2大関が不在となった場所を、16場所ぶりに関取復帰の業師がわかせた。

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◆宇良の珍手 居反りなどの「反り手」にはたすき反りや撞木(しゅもく)反りなどがある。たすきを肩に回してかけるように相手を肩に乗せて後方に落とすたすき反りを、宇良は東十両3枚目だった17年初場所の13日目、天風との対戦で1955年(昭30)5月の決まり手発表後では、初めて決めた。相手を肩の上にかつぎ上げ、体を反らせて後ろに落とす撞木反りは、協会の公式記録では1度も記録されていない“幻の大技”。宇良はこれを、大学1年だった11年の全国学生相撲選手権大会団体戦で記録している。