ともに大関経験者で、三役に返り咲いた東西の小結同士の対戦を、協会トップの八角理事長(57=元横綱北勝海)が「いい相撲だった」と評価した。

けんか四つ同士の対戦で、得意とは逆の右四つで勝ったのが高安(30=田子ノ浦)だった。照ノ富士(28=伊勢ケ浜)に左上手を与えまいと、右からすくって相手の体勢を崩し、胸を合わされたり正対されまいと常に動いて、自分のペースで取り続けた。最後は左上手からの出し投げで背後を取り、送り出しで5勝目を挙げた。

「内容のある、お互いに力を出し切ったいい相撲だった」と切り出した八角理事長は、2敗に後退した照ノ富士の敗因を問い掛ける質問にも「それよりも最初のいなしから終始、高安が攻め続けたのが良かった。先に先に攻めて高安ペースだった。まだ馬力不足の感じはするけど、いいきっかけになって自信がつくと思う」と、まずは勝った高安をほめた。

一方、負けた照ノ富士についても「相撲が長くなると(古傷を抱える)膝に力が入らなくなるけど、その中でも今日はよく頑張った。(高安の攻めにも)残っていたし(膝の)調子はいいと思うよ」と推察。「元大関同士、力を出し合ったいい相撲」と再度、両力士の奮闘をほめていた。