大関正代(29=時津風)が物言い3連発でも2敗を守り、優勝争いのトップに並んだ。

隠岐の海との一番は同体取り直し。2番目も一方的に寄り倒された相撲に見えたが、隠岐の海の勇み足で軍配差し違えとなった。前日10日目も物言いがつく際どい勝負を制しており、幸運を引き寄せて残り4日の勝負に臨む。大栄翔は2敗目。大関朝乃山が勝ち越し、かど番脱出で明生とともに1差につけた。

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大関朝乃山が、待望のかど番脱出を果たした。立ち合いすぐに右を差し、左で抱えながら出たが、隆の勝にうまく回り込まれた。四つを嫌われ、突き放されたが慌てずに対応。隆の勝が前に出てきた瞬間に、タイミング良くはたき込んだ。「ちょっと上体が高かったけど、足の運びが良かったのが次の攻めにつながった」と振り返った。

新型コロナウイルスの影響で年末年始は、角界入り後初めて地元・富山へ帰省しなかった。地元からの応援を直接肌で感じることはできなかったが、稽古休みで空いた時間を有効に活用した。昨年の11月場所で右肩を負傷し、初めて経験した途中休場。不安や焦りがあったというが「ケガしない体を作らないといけないなと思った」と一から体作りに着手し、自身初のかど番で迎える初場所に臨んだ。

かど番を脱出したが「脱出といって終わったわけではない。引き締めたい」と、優勝争いを意識した。12日目の対戦は、過去3戦0勝の照ノ富士。「自分より一回り体が大きいので先に先に攻めたい。自分の相撲を取れば結果はついてくる」と意気込んだ。難敵を下し、自身2度目の優勝へ歩みを進める。【佐々木隆史】