3大関の先場所は11、12日目の2回しかなかった大関白星そろい踏みが、4大関で迎えた今場所、早くも前半5日目を終え3回目の安泰となった。無傷の照ノ富士(29=伊勢ケ浜)を1差で貴景勝(24=常盤山)と正代(29=時津風)が追う展開で、久しぶりの大関優勝の期待がかかる。

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日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は、2大関を撃破している若隆景(26=荒汐)の挑戦をアッサリ退けた照ノ富士の好調ぶりを「今日にしても攻めている相撲に安定感がある。相手を正面に置いて冷静に取っている」と評した。霧馬山(25=陸奥)に完勝した貴景勝の前半5日間は「まずまずじゃないでしょうか。まだまだ様子見という感じでは」とエンジン全開と言わないまでも、無難な前半戦を評価。やはり1差につける、かど番の正代についても「(前半戦を)何とか乗り切ったという感じでは。突き落としは危なかったが、左の差し手が効いていた」とし「初優勝した時のような腰は高くても(相手を)いっぺんに持っていく相撲を目指してほしい」と馬力不足ながら今後に期待。最後は尻もちをつくような格好で3勝目を挙げた朝乃山(27=高砂)については「慌ててはいなかった。思い切り大きい相撲を取るのも1つ(大事なこと)」と、最後の4番を締めた大関陣を、それぞれの切り口で解説した。