大関貴景勝(25=常盤山)が、よもやの連敗を喫し黒星が先行してしまった。幕下時代からここまで7勝1敗と、業師退治に成功していた平幕の宇良(29=木瀬)との一番だったが、取り直しの一番で押し倒されてしまった。

最初の一番もてこずり、宇良に両前まわしを取られ出られた。何とか引き落とし軍配をもらったが、尻からドンと落ちた。前のめりに倒れた宇良の手が着くのと、微妙な差で物言いがついたが協議の結果は取り直し。その取り直しの一番は、猛進したが当たった宇良に左に変わられ目標を失うと、相手に背中を見せたまま土俵際に追い込まれ、最後は押し倒されて右脇腹から土俵に落とされた。

【大相撲初場所取組速報はコチラ】

この一番に、日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は「貴景勝は集中できなかったような気がする。いつものリズムじゃなかった。きのうの(負けた)影響と、今日の相手が宇良ということで集中力が欠けていたのではないか。相手を見ていなかった」と、まともに変化を食った相撲を分析した。

宇良についての言及はなく、さらに「押し相撲にとって、精神的に弱くなるとこういう連敗はある。気持ちを強く持たないと駄目だ」と立ち直りに期待。ただ「2番目(取り直し)の相撲で息が上がったのは気になる。稽古を積んでこれたのかな? (取り直しという)長い相撲だけど、それにしては(息が)上がりすぎている」と案じるように話していた。