結びの一番で横綱照ノ富士(30=伊勢ケ浜)が敗れ、昨年9月の秋場所13日目から続いていた連勝が「23」で止まった。平幕のベテラン玉鷲(37=片男波)の強烈な突き、左のど輪押しをまともに食い後退。反撃しようと前に出した足が流れ、バランスを崩し右手を着きかけた。何とかこらえたが、前のめりの体勢を立て直すことができず左手、そして右手と土俵に着き、突き落としで敗れた。

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正面土俵で審判長を務めた高田川審判部副部長(元関脇安芸乃島)は「玉鷲が鋭く攻め込んだので(照ノ富士は)ちょっと受けすぎましたね。玉鷲に、うまくはたかれた。玉鷲は元気が良いし迷いがなかった」と玉鷲の満点相撲をほめた。

とはいえ、優勝争いを占う高田川審判長の見立ては、これでイーブンぐらいとみている。この日、ともに勝って全勝をキープし、優勝争いの先頭に立った両力士について「御嶽海は完璧な相撲でした。一気に激しく持っていった」「阿炎は反応よく回り込んだ」と、この日の相撲内容こそ高評価したものの「2人が全勝ですか」と前置きした上で「横綱が負けて(これで)1差になって、ちょうどいいぐらいじゃないですかね」と1差の“ハンディ”を負っても照ノ富士の強さを強調。照ノ富士の今後についても「(心配は)ないでしょう。気にせず明日から(また)力を出してくれたら」と見通し、御嶽海については「今からですね。まだ(場所は)半分もいっていないですし」と話していた。