角界初の東大出身力士となった須山穂嵩(24=木瀬)が前相撲に登場した。立ち合いから素早く右を差して一気に前に出て、山田海(出羽海)を下して初陣を飾った。

師匠の木瀬親方(元前頭肥後ノ海)からもらった「前に出ろ」とのアドバイス通り積極的な攻めを見せた。取組を終えて「とにかく前に出る力を付けるのが大事だと思って稽古しています。しっかり前に出ようと思っていましたので、(今日の相撲は)良かったと思います」と振り返った。

東大生との二刀流で臨む本年度は「前期はリモートは2コマ、(対面で受ける)ゼミが1コマあります」。学生時代は週3回だった稽古が毎日となり、「ちょっと大変だなと思っています」。浴衣を着てげたを履き学校内を歩いていると「職員の方から『学内の方ですか?』っていうふうに言われたこともあります」。環境の変化を実感しながら、両親と交わした<1>ケガをしない<2>ちゃんと卒業するという約束を守ると決意を見せた

4月の新弟子検査の時に104キロだった体重について、現在は「ちょっと増えましたね。今は食べた後だと110キロくらいいきます。130キロくらいまでは増やしたいと思っています」。さらに「部屋では序二段から三段目くらいの人と稽古しています。大部屋での生活はだいぶ慣れていきました」と話した。

今後への意気込みについて「日馬富士さんみたいな速くて力強い相撲を取るために、1日、1日淡々と頑張っていきます」。番付の目標は「東大なので『東大関』を目指したい」と力強く答えた。

前相撲とは、新弟子検査に合格した力士や、けがなどで番付外に降下した力士が取る相撲のこと。通常は本場所の3日目から行われる。先に3勝した力士から抜けていき、抜けた順に翌場所の番付の序列が上位になる。

本場所8日目には、前相撲を取った新弟子の新序出世披露が行われる。ファンを前に、師匠や兄弟子の関取らの化粧まわしを締めて土俵に上がる。【平山連】