東幕下3枚目の千代栄(31=九重)が十両の貴健斗(26=常盤山)を突き落としで下して5勝目を挙げ、新十両に大きく前進した。 師匠の九重親方(元大関千代大海)の「当たって前に出ろ」とのアドバイスを忠実に実行し、頭と頭をぶつける激しい立ち合いを見せた。圧力に押されて土俵際まで下がるも、冷静にはたいて逆転。今場所の取組を終えてプレッシャーから解放され「やっと終わったという気持ちです」と実感を込めた。

京都・福知山市出身。初土俵を踏んだのは09年初場所。昨夜はよく寝付けず午後10時半の部屋の消灯時間を過ぎても「眠れたのは(午前)1時、2時くらいだった」。動画投稿サイトのユーチューブから眠れる音楽を選んで試してみても思うような効果は得られなかったが、土俵の上ではそんな弱みは一切見せなかった。自ら果敢に攻めて白星を手繰り寄せた。「やめたいと思った時もあったけど、頑張ってきてよかった」と感慨に浸った。