幕内の宇良が22日、所属する木瀬部屋の朝稽古に参加した。関取衆の申し合いには加わらず、四股やすり足といった基礎運動で下半身の強化に励んだ。5月の夏場所では前半戦から勝ち星を積み上げたが、14日目に左足首負傷で休場を余儀なくされた。

この日は30歳の誕生日。節目の日を迎えたことに「大人になったなと思います」としみじみとした表情で語った。名古屋場所(7月10日初日、ドルフィンズアリーナ)に向けて「やれるところまでやる。最後まで頑張りたい」と意気込みを語った。

宇良は「30歳まで相撲を取れるとは思わなかった」とうれしそうに語った。母校の関学大から初の角界入りを果たした15年春場所から順調に出世を重ねたが、17年秋場所を右膝の負傷で途中休場。翌年秋場所で三段目で復帰するまで1年を要した。さらに19年初場所でも同じ箇所を負傷して手術。長期の休場を経て、19年九州場所は序二段106枚目で復帰。力士にとっては致命傷となる膝のケガを乗り越え、昨年の名古屋場所で21場所ぶりに幕内に復帰した。

夏場所では、優勝の可能性も残していただけに悔しい結果となった。本人は「何もないですね」と、既に気持ちを切り替えている。30代での目標について「年を重ねても相撲を長く続けたい。やれるところまでやりたいですね」。30歳となって迎える7月の名古屋場所へ気持ちを新たにしていた。【平山連】