大関経験者の東幕下4枚目朝乃山(28=高砂)が今場所最後の相撲に臨み、西幕下10枚目上戸(27=立浪)を寄り切りで下した。6勝目を挙げ、来年1月の初場所(8日初日、東京・両国国技館)での十両復帰が濃厚となった。

立ち合いで右を差して左上手を取り、得意の形を作って難なく寄り切った。「今場所最後の相撲でしたので悔いのないように自分の相撲を取ろうと思いました」と振り返った。

六番相撲で負けて、十両復帰が確実となる7戦全勝を果たせなかった朝乃山。「全勝優勝で文句なしで上がりたかったので目標を達成できなくて悔しいです」と6勝1敗も、六番相撲での黒星を悔やんだ。「後は結果を待つのみですので」などと話した取材対応後に、十両下位と幕下上位で負け越した力士が複数出たことにより十両復帰が濃厚となった。

日本相撲協会作成の新型コロナ感染対策ガイドライン違反が発覚し、昨年7月の名古屋場所から6場所出場停止処分を受けた。今年7月の名古屋場所で復帰し、年内での十両復帰を狙ったがかなわず。この1年を振り返り「7月は三段目優勝でスタートしたけど、9月と今場所は優勝を目指していたので悔しい。この一番で発揮できなかった」と秋場所と今場所の黒星を悔やんだ。