昭和の大横綱が興した相撲部屋が、飲食店に生まれ変わった。

16年に亡くなった第58代横綱千代の富士で先代九重親方が開設した旧九重部屋(東京・墨田区)が「ちゃんこ千代の富士」に改装され、20日にオープンした。

かつて実際に使われていた本物の土俵を目の前にして、亡き横綱ゆかりの料理を堪能できる。開店初日から予約客でいっぱいとなり、にぎわいを見せた。

店は家族によって運営される。食べ物は2つのコース料理(数品とちゃんこ鍋)と一品料理を設け、大関コース(税込み3960円)、横綱コース(同5500円)どちらも千代の富士が愛し、弟子たちによって受け継がれてきたという絶品ちゃんこ鍋を味わえる。一品料理の中には「九重部屋秘伝ニンニク」「九重部屋の鶏のたたき」など部屋ゆかりの料理が名を連ねるほか、飲み物の中には千代の富士の名を冠した焼酎や地酒が並ぶ。

特色はメニューだけではない。店内には史上3位の31度の優勝を振り返るトロフィー、現役最後の優勝となった90年11月の九州場所で締めた綱、現役時の様子を描いた味わいのある絵など。昭和から平成にかけて一時代を築き、「ウルフ」の愛称で親しまれた千代の富士の残した品々が飾られている。料理だけではなく、在りし日の記憶をたどれる貴重な空間となっている。【平山連】

★ちゃんこ千代の富士 住所は東京都墨田区石原4-22-4、営業時間午後5時から午後10時(ラストオーダーは午後9時半)、水曜日定休。(予約に関して)電話回線の都合により、当面の間インスタグラムのアカウント(@chiyonofuji_chanko)へDM、またはメール(info@chiyonofuji.co.jp)にて対応。予約の際は希望日時、人数、代表者名、予約当日に連絡可能な電話番号を明記し、1カ月先まで予約を受け付けている。