ちょうど1年前の春場所で、初優勝を遂げた関脇若隆景(28=荒汐)が“苦手の序盤”を克服できず、今場所も3連敗スタート。阿炎の突っ張りを、下からあてがいながら何とかしのいで前に出たが、右ノド輪押しを外されると前のめり。はたかれて土俵にはわされた。

報道陣のリモート取材に応じた日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は、まずは「立ち合いでしょう。押されてしまっている」と第1の敗因を挙げた。その後の持ち味のおっつけも「自分から攻めてのおっつけならいいが(ただ単に)こらえているだけ(のおっつけ)。いい相撲はいい相撲だったけど、軽量をつかれている」と圧力不足を指摘した。

高安を優勝決定戦で破った、あの歓喜の大阪から1年。相手に研究されてもいる。そのことについて同理事長は「1年前とは違う。その上(研究する相手の上)を行かないとダメだ。一発でまわしを引くとか、厳しい立ち合いをしないと」と、殻を破れない次期大関候補の一人に、さらなる成長を求めた。