東十両3枚目で幕内優勝経験者の逸ノ城(29=湊)が、初顔合わせとなった新十両の落合をパワーで圧倒した。

立ち合いは右からかち上げ、落合を吹っ飛ばした。それでも、しぶとく組みついてきた落合に、もろ差しを許す苦しい体勢。だが落ち着いて腰を落とすと、さらに低い体勢の相手を上から突き落とし。相手のうまさを力で封じ込め「慌てずに取れた」と、冷静に振り返った。これで10勝1敗とした。

十両優勝争いは、同じく10勝1敗の朝乃山以外の力士とは2差以上つき、マッチレースの様相を呈してきた。この日は「かち上げてから、まわしを取ろうと考えていた」と、考えていたが、もろ差しを許し、まわしを取れなかったが勝った。朝乃山とともに、頭一つ抜けた実力を披露している。

落合とは同じ鳥取城北高出身。「後輩に負けないように頑張りました」と打ち明けた。落合はまだ、まげを結うどころか短髪の部類。自身も新十両のころは、ざんばらだったが、当時を思い出すか問われると「自分が入ったころは、先輩たちの胸を借りるつもりだった。今は自分が先輩の立場になったので、後輩には負けるわけにいかなかった」と語った。優勝争いが続くが「目の前の一番に集中するだけです」と、終始落ち着いて話していた。