モンゴル出身で西序ノ口11枚目の朝白龍(あさはくりゅう、24=高砂)が7戦全勝優勝を飾った。七番相撲で隆翔生(常盤山)と対戦。左四つになると、そのままじりじりと土俵際まで持っていき寄り倒した。「今まで試合とかで優勝したことなくて、何かで優勝することが初めてだったんで、結構うれしいです」と喜んだ。

しこ名が初めて番付表に載った今場所は「1日一番しっかりやっていこうとしか考えなかった」。六番相撲では甲山親方(元前頭大碇)の長男で埼玉栄高の若碇(伊勢ノ海)との全勝対決に勝利。「高校生には負けたくない気持ちがあったんで、一番緊張しました」と振り返る今場所最大の関門を乗り越え、続く七番相撲も快勝。無敗で場所を終えた。「細かいところを直していって、もっと良い結果を出したい」。視線の先には、同じ飛行機で来日した2人の存在がある。

関脇の豊昇龍(立浪)と十両の欧勝馬(鳴戸)とそろって15年に来日。柏日体高(現・日体大柏)に進学し、同校卒業後に角界入りを目指した。だが、当時は「入れる部屋がなくて。大学で頑張ってダメならという感じだった」。拓大卒業後に晴れて高砂部屋に入門。「2人の背中を見てきた。同じ所で超えられるように頑張りたい」。目指す先を見据えながら、1歩1歩階段を上っていく。