出場停止明けの東十両3枚目逸ノ城(29=湊)が、14勝1敗で十両優勝を飾った。

逸ノ城の十両優勝は新十両の14年夏場所以来2度目。22年名古屋場所では幕内最高優勝を飾っている。

立ち合いこそ、対馬洋に右差しから土俵際まで攻め込ませた。しかし、重い腰を生かして余裕で残すと、引きずるような左からの上手投げを決めた。

「体がそんなにいい状態ではなかった。その中でけがもなく、自分の相撲がとれてこんな成績で終われてホッとしてます。どんな相手でも自分の相撲をとろうとだけ思っていた。長い相撲はとりたくない考えもあった。それがよかったのかと思います」

コロナ禍での外出禁止を破る日本相撲協会が設けたガイドラインを違反したとして今年初場所は出場停止。東前頭7枚目から番付を下げての出直し場所だったが、2月に腰のヘルニアの手術を行い、不安材料を取り除くこともできた。

昨年は師匠湊親方(元幕内湊富士)との確執や、同夫人への暴力疑惑が発覚するなどマイナスな面ばかり表だっていた。幕内復帰が確実な来場所も土俵の上で存在感を示していく。