大関経験者で東前頭14枚目の朝乃山(29=高砂)が、13場所ぶりの幕内勝ち越しを決めた。3年ぶり顔合わせの竜電を寄り倒し。立ち合いから右を差し、下手を引いた。左は巻き替えてもろ差しを狙ったが、すぐに切り替えて上手を取り、最後は全体重を預けるように前のめりに倒れ込んだ。「今日、勝ってよかったけど、まだまだ。明日からもあるので、切り替えてやっていきたい」と、浮かれることなく気を引き締めた。

前日21日の8日目は、立ち合いで変化してきた北青鵬に敗れた。初日からの連勝が「7」で止まり、幕内では2度目のストレート勝ち越しを逃した。竜電戦7連勝とする、仕切り直しの白星で8勝1敗とし、4年ぶり2度目の優勝に向けて再スタートを切った。

前日の取組後は「横にずれてくるのは予想していなかった。対応できなかったということは、まだ弱い部分。昔から指摘されている通り、上手を切らないといけなかった。勉強不足。負けは負け。(勝ち越したい)欲が出たのかもしれない」と、反省を繰り返した。それだけに、この日は一段と勝ち越しを意識せず、目の前の一番に集中した。

9日目の結びの一番で、全勝の横綱照ノ富士と、1敗の平幕明生が対戦。明生が勝てば1敗で3人が並ぶ。照ノ富士が勝てば、1差で唯一追うのが朝乃山という展開。いずれにしても、後半戦を迎え、優勝争いの中心に名を連ねることになった。この日の取組後は「2年ぶりの幕内。緊張感の中で楽しく相撲を取れている」と語った。さらに白星を重ねれば、好調力士や上位との対戦が組まれることになる。

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