元横綱鶴竜の鶴竜親方は、大関昇進を確実にした弟弟子の霧馬山について(1)修正力(2)何でも聞き入れる素直さ、が成長の要因にあったと分析する。「教えたらすぐできるようになる。再現性が高かったのでセンスを感じましたね」。組むと半身になる癖があったが、攻め方が狭まるからと改善を促すと、すぐさま聞き入れた柔軟さが印象に残る。

(2)については「何でもまずやってみよう、試してみようという気持ちが強かったですね。体にいいからと納豆を食べるように勧めたら取り入れたり、筋力トレーニングをやりたいと言うのでトレーナーを紹介したこともありました」。同じモンゴル出身だからといって、決して特別扱いしたわけではない。「親方になって改めて思いますが、弟子たちにはみんな同じように助言するんです。その言葉を受け止め、どう相撲に生かすか。関取になれるかどうかの差だと思います」。

来月3日に控える自身の引退相撲。大関昇進のチャンスをつかみ、花を添えたいと口にしていた霧馬山には「余計なプレッシャーになってほしくない。自分のことだけ考えて」と気遣っていたが、その顔に満面の笑みが広がった。【平山連】