西十両8枚目の「令和の怪物」落合(19=宮城野)が“師匠超え”の13勝目を挙げた。ともに高校横綱で、鳥取城北高の先輩でもある狼雅に快勝。けんか四つの相手に差し勝って左四つに組み止め、上手投げで仕留めた。これで昭和以降最速に並ぶ、所要3場所での新入幕にも大きく前進。「相手が右四つという強い型を持っているので、右四つにだけはならないように意識した」と、狙い通りの取り口に持ち込み、胸を張った。

今場所前から、師匠の宮城野親方(元横綱白鵬)が、十両2場所目に挙げた12勝が目標と公言していた。それを超える、この日の白星に「14日間、変わらずやってきたのがこの結果」と、毎日平常心を保ち続けた結果と強調した。落合はこの日の朝稽古のこととして「師匠に教えてもらったことができてよかった。師匠からは『右四つにさせないように』と言われいて、それをできてよかった」と、うなずいた。

今場所は同部屋の兄弟子炎鵬が、1勝もできずに10日目から休場した。来場所は幕下に陥落する可能性がある。「部屋の誰もが尊敬する炎鵬関。炎鵬関もつらいと思うけど、自分はかわいがってもらっていたので、結果で恩返ししたいという思いが強い。同じ土俵で肌を合わせて、技をかけてもらった。胸を借りるのがありがたくて、技を吸収させてもらったし、勉強になった」。感謝の思いは強い。また、今場所の宮城野部屋は北青鵬が幕内土俵で存在感を見せ、西幕下筆頭の川副が来場所の新十両昇進を確実にした。「宮城野部屋は仲間だと思っているので、一緒に盛り上げられたら幸せ」と“仲間”の活躍を刺激にしてきた。

宮城野親方が十両2場所目で12勝した際は、十両優勝も飾っていた。現在、13勝1敗で豪ノ山と並んでいる。千秋楽も勝って自身も十両優勝を手土産に、遠藤と並ぶ所要3場所での新入幕に近づくつもり。「14日間やってきたことを明日(千秋楽)もやりたい」と、短い言葉に千秋楽にかける思いをにじませていた。

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