ちょうど1年前まで大関を務めながら、東前頭11枚目に番付を落としている御嶽海(30=出羽海)が、幕内最初の一番に登場した。

いわゆる“初口”(しょっくち)で相撲を取るのは、入幕3場所目の16年春場所12日目(対里山、○寄り切り)以来、7年半ぶり。館内のファンも、実力者の早々の登場に違和感を覚えた? 一番は、頭で当たると左を固めて佐田の海の差し手を阻止し、右もハズで押す御嶽海らしい万全の相撲で押し出した。

これで2場所ぶりの勝ち越しを決めた御嶽海。12日目での勝ち越しは、大関から陥落後としては最も速い給金直しとなった。

先場所は初日から6連敗を喫するなど3勝12敗と大負けした。今場所は中日を前に5勝2敗と、優勝争いも期待されたが、その後は2連敗を喫して勝ち越しはお預けとなっていた。

それだけにNHKのインタビュールームに呼ばれた御嶽海は、勝ち越し決定にも「もう少し早く勝ち越したかったです」と苦笑いも交えて話した。7年半ぶりとなった幕内最初の一番について聞かれると、少し間を置いて「面白かったですよ、久々に」と笑み。あらためて勝ち越しについて「先場所はファンの皆さんにいい結果を届けられなかった。(今場所は)早めに届けられて良かったです」と話した。