西前頭14枚目で返り入幕の一山本(30=放駒)が、自己最長となる初日から6連勝を飾った。錦富士を立ち合いから押し込み、押し切れずに反撃に遭ったが、いなして左に動きながらはたき込んだ。左膝を痛めて7月の名古屋場所を途中休場(その後再出場)したが、先場所は十両優勝。今場所は無敗でトップを守った。十両、幕内と2場所連続優勝となれば、1914年(大3)の両国以来、109年ぶりとなるが、大記録の期待も懸かる展開となった。

取組後は「前に出ようと思ったけど押し切れなかった。立ち合いはよかったけど押し切れていない」と、前日5日目までは前に出続けて勝っていただけに、内容には満足していなかった。それでも「立ち合いは押していた。相手は左四つなので、差されないように右をおっつけていった」と、随所で手応えも感じている様子。白星を重ねるごとに、日に日に土俵入りに際の歓声も大きくなっているが「出身地が真逆(北海道)ですからね。気のせいじゃないですか」と、シャイな性格だけに、冗談交じりに照れ隠ししていた。