所要4場所のスピードで新入幕を果たした西前頭15枚目の大の里(23=二所ノ関)が、武将山をはたき込み幕内デビューを白星で飾った。
「特に緊張はなかった。15日間長いので初日に勝ててよかったです。立ち合いはあまり集中できていなかったので、明日から頑張りたいです。(震災を受けた故郷に向け)15日間、頑張るだけです」
日体大で2年連続アマチュア横綱に輝き、卒業後の昨年5月の夏場所、幕下10枚目格付け出しで初土俵を踏んだ。幕下、十両をそれぞれ2場所で通過。昭和以降3番目のスピード出世とを果たした。
192センチ、182キロの恵まれた体格も持ち合わせる。師匠の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)の方針で、基礎からじっくり育てている途中の段階で、まだ、まげも結えないざんばら髪で早くも幕内土俵を踏んだ。
年明け早々、成長ぶりを示した。今月4日、茨城・阿見町の部屋に出稽古に来た大関経験者の朝乃山に、3勝1敗と勝ち越した。勝った3勝は、いずれも相手を圧倒する内容だった。
“初顔合わせ”は、立ち合いで「バチーン」という、胸と胸が当たる激しい音を響かせ、次の瞬間には圧力をかけて前に出ていた。左ハズで上体を起こして危なげなく押し出した。さらに相手得意の右四つになっても圧力勝ちする相撲が2番。これには朝乃山も「見ての通りです。ボロ負けでした。圧力もあるし、体の寄せ方もうまい。強かった」と完敗を認めていた。
朝乃山を圧倒したという衝撃の大きさは、あっという間に幕内力士の間に広まった。その2日後の二所ノ関一門の連合稽古では、一門外から参加した大関霧島から指名を受けた。通常であれば対戦しない番付だが、快進撃を予感したかのように5番続けて取った。これは1勝4敗と負け越したが、勝った1番は立ち合いから一方的に押し出していた。霧島も思わず「あー、くそっ!」と大声で叫び、悔しさを隠せないほどの完勝だった。
出身の石川県津幡町は、元日の能登半島地震で大きな被害を受けた。今場所前、大の里は「地元はまだガス、水、電気が止まっている。地元は内陸ですけど(特に被害が大きかった)能登が好きなんです。能登は海がきれいで景色もいいので悲しい。頑張っている姿を見せることが1番」と、故郷を少しでも元気づけたい思いを話していた。

