尊富士(24=伊勢ケ浜)がついに、新入幕優勝に王手をかけた。関脇若元春(30=荒汐)に対し、相手得意の左四つに組んだが、もろ差しから一気に寄り切った。

残り2日で後続との星の差も2。尊富士は14日目は朝乃山(30=高砂)と対戦。これに勝てば優勝決定で、敗れても、その後に取組がある3敗で追う大の里(対阿炎)、豊昇龍(対琴ノ若)がともに敗れれば、優勝が決まる。

14日目の割(取組)は、13日目の打ち出し後に審判部が取組編成会議を開いて決めた。尊富士との対戦が朝乃山に決まった理由について、報道対応した佐渡ケ嶽審判部長(元関脇琴ノ若)は「三役がかかっているし元大関だから」とストップ・ザ・尊富士として期待。西前頭筆頭の朝乃山はこの日、返り三役の資格を得る勝ち越しを決めたが、他の力士の、昇降の兼ね合いもあり、さらなる星の上乗せをしたいところ。勝ち越し決定でもモチベーションを維持していることを期待しての取組編成となったようだ。尊富士には本来なら、残る2大関との対戦があっても良さそうだが、霧島は大負けの10敗を喫し、貴景勝はこの日、勝ち越しを決めたものの取組後の表情からは痛めている首の状態が思わしくないように見て取れる。審判部としても現状では苦しい選択ながら、好勝負という期待で朝乃山戦が組まれた。

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