[ 2014年6月28日8時38分

 紙面から ]ポルトガルのロナルド(右)はゴールを決められずガーナのメンサに起こされる(AP)<W杯:ポルトガル2-1ガーナ>◇1次リーグG組◇26日◇ブラジリア

 ポルトガル代表FWクリスティアノ・ロナルド(29)のW杯は失意のうちに終わった。欧州最優秀選手賞を受賞した選手はW杯では優勝できない-。「バロンドールの呪い」は、今大会も生きていた。バロンドールを手にし、欧州CL優勝を成し遂げたロナルドでさえ、ジンクスを打ち破ることはできなかった。

 決勝トーナメント進出には大量点を挙げて勝つしかないポルトガル。エースの元にボールが集まった。チーム最多の9本のシュートを放ち、7本がゴールの枠内に飛んだ。1、2戦と違い体のキレも戻っていた。しかし、ロナルドが決めたゴールは1-1の後半35分に決めた1点のみ。待望の今大会初ゴールは、あまりにも遅すぎた。

 勝利したが、ロナルドに笑顔はなく、力なく頭を振った。「全力は尽くしたけど、ダメだった」。米国と勝ち点4で並びながら、初戦のドイツ戦で喫した4失点が響いて1次リーグ敗退。ブラジルFWネイマール、アルゼンチンFWメッシと並ぶ、今大会の主役候補が早々と姿を消した。

 左膝に負傷を抱え、W杯直前まで戦った欧州CLでの疲弊が大きかった。高い運動能力と強烈なシュートは最後まで影を潜めた。欧州CLで大会記録の17得点をマークし、Rマドリードに史上最多10度目の優勝をもたらした。「目標はW杯優勝」と臨んだが、その夢はかなわなかった。

 ロナルドは「マン・オブ・ザ・マッチ」に選ばれたが、目に涙をたたえ「今日はボクの日ではない」とつぶやき会場をあとにした。過去に、メッシ、バッジョ、プラティニ、クライフら数々のスーパースターたちが、はね返された「バロンドールの呪い」。ジンクスの打破は次回大会に持ち越された。