人気メンバーが総崩れした。初戦から早々に大物が消えた。握手会の人気NO・1の山本彩は、最もキャリアの浅い15期生の佐藤妃星に足をすくわれた。「1回戦はいけると思ったら、あいこが続いて、心が折れてしまいました」と頭をポリポリ。巨乳に映るセクシー衣装で挑んだ1期生峯岸みなみも「やっぱりニセモノの乳じゃダメ、これが現実ですね」と肩を落とした。昨年の総選挙1位と史上初の2冠も見据えていた渡辺麻友と、総選挙で若手ながら神セブン入り(7位)した宮脇咲良も「今年は本気で優勝を目指してたのに~」とうなだれた。

 第1回から毎年弱いベテラン勢も敗退した。2回戦で姿を消した高橋みなみは「まぁ、いつもこうなるけどさ。もともと運がないので」と予想どおりに惨敗。第1回からじゃんけんにめっぽう強かった昨年の準優勝者小嶋陽菜ですら、山本彩を破って勢いに乗った佐藤妃の下克上を許してしまった。

 カップリング曲の選抜に選ばれるベスト16にも、AKBシングル選抜経験者は、横山由依と木崎ゆりあ、渡辺美優紀の3人だけ。6月の総選挙のランクイン(上位80人)からでも、わずか4人。3年前の女王島崎遥香のような若手エース候補の躍進も、向井地美音や小嶋真子らが軒並み倒れて、かなわなかった。人気メンバーたちは、照明の当たらない応援席にがん首をそろえて、ベスト16以降のクライマックスを、うらやましげに眺めるしかなかった。

 ただ、これがじゃんけん大会の本来の姿。第1回では無名の内田真由美が勝って話題になった。第2回から4年連続で人気メンバーが優勝した。高橋みなみはこの日、「じゃんけん大会は八百長じゃねぇぞー!!」と胸を張って叫んだ。AKB48のキーワードは常に「ガチ(ガチンコ)」。ファンもメンバーも、久しぶりに再確認させられる一夜となった。【瀬津真也】