HKT48指原莉乃(26)が、グループ卒業を発表した。劇場支配人も兼任し、48グループ全体でも“象徴”ともいえる存在だっただけに、今後のグループにもより注目が集まりそうだ。

指原が卒業発表したちょうど1週間前の今月8日、AKB48の13周年公演では、2代目総監督の横山由依(26)が退任し(退任時期は未定)、次期総監督に向井地美音(20)を指名した。

3月に行われたグループに関する知識を問うセンター試験で全グループ1位を獲得し、ファンを含めた全体でも2位に輝いた実力の持ち主。また6月の選抜総選挙でも「私はいつの日にか、総監督になりたいです」と宣言するなど、「グループ愛」にあふれたメンバーの1人だ。

向井地は子役出身。フジテレビ系ドラマ「アンフェア」シリーズでは、篠原涼子演じる雪平夏見の1人娘・美央役を好演。映画「踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」(13年)では、スリ親子の娘役で、深津絵里演じる恩田すみれが、犯人の銃弾からかばう少女…というと、ピンと来る方も多いだろうか。子役として活躍していたが「ずっと子役を続けていくイメージもなくて、小6のときに辞めました」と一時芸能界を離れた。

そんな向井地の人生が一変するのが、中学に進学した後に出会った友人。AKB48が大好きなその友人の影響で、向井地自身も動画を見ては振りをまねしたり、実際に秋葉原の劇場公演に足を運んでは、ペンライトを振っていた。そんな時に、AKB48の15期生オーディションが開催され、メンバーとして芸能界に“復帰”することになる。

AKBはそもそも歌手や女優、モデルなど、タレントとしてステップアップする入り口としてとらえて加入するメンバーが多い中、まだ16歳だった向井地は「ステップの場と言われると、私の場合は『どうしよう』ってなってしまう。AKB48に入ることが目標だと、入ってから努力しなくなるというのではなくて、その中では、将来自分が中心となって引っ張っていける人になりたいという目標はありますし、上にどんどんいきたいという気持ちを忘れずに進んでいきたいと思います」と言い切った。

さらに、15年の総選挙で44位に初ランクインした際にもスピーチで「AKB愛は誰にも負けない」と話した。その真意についても、のちのインタビューで「何百人とメンバーがいて、周りを見たときに、自分が1番と言えるのがそこだと思いました。他のメンバーが歌手になりたいとか、バラエティーで活躍したいとか、それぞれ目標がある中で、私にとってはそれがAKB48。AKB48という物語がすごく好きで、自分も1日1日その物語を紡いでいるわけじゃないですか。それだけで幸せなんです」と、当時からグループ愛を表していた。

今年に入ってから、各グループともキャプテンやリーダーが卒業し、次世代へバトンタッチしている。NGT48は、結成時からキャプテンだった北原里英(27)が4月に卒業し、地元愛にあふれる加藤美南(19)がチームN3のキャプテンに就任。さらにチームGが発足し、同じく地元出身の本間日陽(19)がキャプテンになった。さらにNMB48は大黒柱の山本彩(25)が10月に卒業。もともとはファンで、5期生の小嶋花梨(19)が2代目のキャプテンに就いた。それぞれ経緯は違うものの、共通するのは「愛」。やり方は千差万別だが、向井地を筆頭に、どんな手腕でグループをまとめ、物語を作っていくのか。ここからが楽しみだ。