AKB48横山由依(28)が12日、東京・日比谷野外音楽堂で行われたライブ「MX夏まつり AKB48 2021年最後のサマーパーティー」で、グループ卒業を発表した。2代目のAKB48グループ総監督を務めるなど、グループをけん引してきた。

今後も芸能活動は継続。卒業コンサートも予定し、29歳の誕生日翌日の12月9日に、学舎の東京・秋葉原のAKB48劇場で卒業公演を行う。

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横山は島崎遥香、大場美奈、山内鈴蘭らとともに9期生として加入した。当時AKB48はブレーク間近。粒ぞろいだった9期は「次世代若手メンバー」として、グループの黄金期を支えた。その中でいち早く正規メンバーに昇格し、その後も派生ユニット参加など、同期を引っ張る存在だったが、実は“苦労人”だ。

研究生のさらに候補生だった時代は、高校に通いながら、毎週末に京都から深夜バスで東京までレッスンに通った。9期生オーディション前にも受けていた経験があり「とにかく必死でした」。いち早く昇格したのも、先輩のポジションを愚直に覚えて伝えるなど、日頃の実直な姿勢が評価されたから。その後、キャプテンや総監督に指名されるのも必然だった。

圧倒的な存在感と言葉でグループを引っ張っていた高橋みなみの後を継いで、相当なプレッシャーも抱えていた。不器用なタイプで「なんやろうなあ」と言葉に詰まり、グダグダになることもあった。先日、久しぶりにインタビューをした際、意地悪くその話を振り返る記者に「また話長いって言うんでしょ?」と鋭く突っ込む愛嬌(あいきょう)こそ、誰からも愛される要因だ。【大友陽平】