帝国劇場が建て替えのため、2月28日の公演を最後に休館しました。1966年の開場から12年後の78年に、森繁久彌さん主演のミュージカル「屋根の上のヴァイオリン弾き」を見たのが、初めての帝劇観劇でした。それから47年、毎月のように通い、松本白鸚の「ラ・マンチャの男」「レ・ミゼラブル」「ミス・サイゴン」などのミュージカルから蜷川幸雄さん演出「近松心中物語」などを見てきました。歌舞伎座と同じくらい、取材に観劇に通い続けた劇場でした。
28日夜には隣の東京會舘で「感謝の夕べ」が開かれ、多くの関係者が集まりました。帝劇で20年以上も座長として公演を行った佐久間良子、66年の開場披露の公演で「三番叟」を踊った林与一、帝劇初のオリジナルミュージカル「スカーレット」に主演した北大路欣也、「レ・ミゼラブル」初演でジャン・バルジャンを演じた鹿賀丈史、帝劇の舞台に立つこと約2800回の大地真央をはじめ、帝劇最後のコンサートを終えたばかりの市村正親、堂本光一、井上芳雄も駆けつけました。佐久間の発声で乾杯し、59年の歴史に幕を下した帝劇に感謝しました。
この日の午後9時から日本テレビで2時間特番「さよなら帝国劇場 最後の1日 THEミュージカルデイ」が生放送されるため、早々に帰宅しました。「日本人が好きなミュージカルの名曲ベスト30」が紹介されましたが、帝劇で上演された作品だけでなく、劇団四季の作品も数多くランクイン。ミュージカルファンとしては、それなりに楽しめたけれど、帝劇最後の日の特番だけに、ちょっと肩透かしの感じは否めませんでした。それでも、1位になったのは「レ・ミゼラブル」の「民衆の歌」で、帝劇最後のコンサートでも大合唱され、特番の最後も市村、堂本、井上らが熱唱しました。
新しい帝国劇場の開場は5年後の30年度の予定。ミュージカル公演でクロージングのラストを飾ったのは「レ・ミゼラブル」でしたが、新帝劇のこけら落としも「レ・ミゼラブル」になるのでしょうか。再び「民衆の歌」を新しい帝劇で聞くためにも、健康には気を付けたいと思っています。林尚之】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「舞台雑話」)




