3月5日に行われた落語芸術協会(春風亭昇太会長)の4人の新真打のお披露目会見に行ってきました。落語家にとって真打昇進は大きな節目とあって、4人は緊張した表情で会見に臨んでいました。
春風亭昇太門下の春風亭昇吾(42)は1年前に髄膜炎で緊急入院し、1週間は意識がなかったそうです。一時は足を切断する話も出たそうで、辛いリハビリを経て、歩けるようになるまで回復しました。「1回死んだと思って、不死鳥の昇吾として頑張りたい」
桂竹丸門下の桂竹千代(38)は明大大学院で古代史を研究した異色の経歴の持ち主で、神社検定1級、温泉ソムリエの資格を持つ。「古典落語250席以上、古代史落語など新作は100席以上の持ちネタがあり、ネタ数ではだれにも負けません」
雷門助六門下の音助あらため雷門五郎(38)は金融マンから落語家に転じたが、師匠の助六らが「銀行員だった」と紹介したのに対し、五郎は「違います。僕は信用金庫の出身で、銀行員ではありません」としっかり訂正する律義さが印象的でした。
昔昔亭桃太郎門下の昔昔亭喜太郎(44)は昨年12月に師匠が急逝し、会見に同席したのは兄弟子の昔々亭慎太郎でした。「師匠の遺志を継いで、師匠を超える爆笑王を目指したい。真打昇進披露では、師匠に最後に教わった『カラオケ指南』をやりたい」
披露興行は5月上席の新宿・末広亭を皮切り、浅草演芸ホール。池袋演芸場、お江戸上野広小路亭と続きます。会見に同席した会長の昇太は「バラエティーに富んだ4人。披露興行が楽しみ」と話しましたが、40日の長い興行の中で、新真打として、それぞれの「色」を出すことができるか。4人の頑張りに注目です。【林尚之】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「舞台雑話」)




