見ていて、心がハッピーになるミュージカルを見てきました。昨年5月に宝塚歌劇団を退団した元星組トップスターの礼真琴が主演したミュージカル「BOOP!The Musicalブープ!ザミュージカル」(東京公演は東急シアターオーブで21日まで)です。

退団後初めてのミュージカル作品ですが、当初は「BURLESQUEバーレスク」の予定でした。2024年に英国で初演された作品で、礼も渡英して観劇しています。しかし、今年1月になって、公演の中止が発表となり、代わって「ブープ」に決まったのは3月でした。

退団後初めて挑む作品が急に変更となる異常事態。役作りを一からやり直し、気持ちの切り替えなど、大変なことがいっぱいあったと思います。でも、「ブープ」ではつらつとした演技をみせる礼を見て、再スタートの作品としては「ブープ」が良かったのではとの思いを強くしました。

「ブープ」は1930年代に生まれた世界的な人気キャラクターのブープが主人公。白黒アニメの世界から現代のニューヨークにタイムワープし、作られたキャラクターではなく、一人の女性として愛し合い、自分らしさとは何かに目覚めていきます。そんなブープを演じた礼は、とても可憐で愛らしく、1年前まで男役として活躍していたとは思えないほど。歌やダンスは在団中から評価が高かったけれど、のびやかな歌声、キレのいいダンスと一層磨きがかかっていました。「バーレスク」の公演中止は残念だったけれど、躍動する礼に、そして人の成長物語としてのストーリー、歌、ダンスに心が弾んだ観客として、「ブープ」に出会えたことに感謝したくなりました。

退団してから1年。長い準備期間を経て、舞台に立った礼。次回作はまだ発表されていませんが、どんな作品に挑むのか、とても楽しみです。【林尚之】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「舞台雑話」)

ミュージカル「BOOP!The Musical」開幕前会見に臨んだ、左からジェリー・ミッチェル、水江建太、松下優也、礼真琴、柚希礼音、大澄賢也、東山義久(撮影・浅見桂子)
ミュージカル「BOOP!The Musical」開幕前会見に臨んだ、左からジェリー・ミッチェル、水江建太、松下優也、礼真琴、柚希礼音、大澄賢也、東山義久(撮影・浅見桂子)