とにかく、ハチャメチャ感がすごい。アクション、ミステリー、コテコテのギャグがテンコ盛り。ごった煮だが、ド直球のお祭り映画だ。

中国で大ヒットを記録している人気シリーズ「唐人街探案」の第3弾。東京を舞台に、日本、中国、タイの名探偵たちがヤクザ絡みの密室殺人事件に挑む。過去作は日本未公開だが、話の流れは理解できるストーリーになっている。

主人公の中国の探偵コンビ、タン・レン(ワン・バオチャン)とチン・フォン(リウ・ハオラン)を妻夫木聡が演じる日本の探偵・野田昊(ひろし)が東京に呼び寄せる。ヤクザの組長を三浦友和、殺害されたマフィアの会長秘書を長澤まさみ、日本の俳優も数多く出演する。吉本新喜劇ばりのド派手なスーツの妻夫木のはじけっぷりがいい。長澤は期待を裏切らない。

ヤクザ、銭湯、コスプレ…。かなりデフォルメされた「日本」にツッコミどころは満載だが、テンションは上がる。総製作費は65億円。「使えないなら作ろう」と栃木県足利市内に約1億円かけ、渋谷のスクランブル交差点を「再現」。チャイナマネーのスケール感もすごい。【松浦隆司】

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