東京・新宿の歌舞伎町に、新しいアイドルの「聖地」が誕生した。人気量販店「ドン・キホーテ」新宿東口本店5階にこのほど、アイドルステージが完成した。人気上昇中の女性アイドルグループ、さくらシンデレラが公演を行い、同ステージを活動拠点にする。AKB48は秋葉原を起点に国民的アイドルグループに飛躍したが、新たなシンデレラストーリーは新宿から始まるのか。メンバーが意気込みを語った。

 都庁やJR新宿駅が一望できるパノラマのガラス窓が見え、300平方メートルのゆとりある空間に設置されたステージには、演出用のスモークマシンも搭載されている。さくらシンデレラの美和花樺(みわ・はるか)は「新宿といえば、日本だけでなく、世界中の人が集まるところ。このステージを日本の名所にして、ここから羽ばたいていきたい」と話す。夏生(なつき)のんも「誰もが知っているこの場所で、天下統一ののろしを上げられたことがうれしい」と喜んでいる。

 新ステージで先月30日から公演が行われている。入場者は数十人規模だが、将来的に150~200人に増やすつもりだ。公演映像のYouTube(ユーチューブ)配信も予定している。さらに来場者への出演メンバーの写真プレゼントや、CD発売時の握手会開催も予定している。

 グループは14年10月に活動をスタートした。先月5日発売の2枚目シングル「未来プロローグ」が1・1万枚を売り上げ、オリコン週間ランキング9位になるなど成長途上にある。既に名古屋に劇場を構えているが、今後は新宿も新たな拠点として、並行して公演を開催する。

 「ドン・キホーテ」のアイドルステージといえば、秋葉原店8階のAKB48劇場が有名だ。夏生は「もちろんAKB48さんも尊敬しています。ただ、私たちはもっと新しい切り口でアピールしていきたい」。優木りのは「まずは紅白歌合戦出場と日本武道館ライブを目指します」と意気込む。

 プロデューサーの林正幸氏は「20年東京五輪に向けて、外国人観光客もたくさん来られるようにしていきたい。世界進出も考えています」。新宿・歌舞伎町は再開発が進み、若者や外国人観光客が集まるエリアに変貌を遂げた。さくらシンデレラが、日本有数の繁華街から新たなアイドル文化を発信できるか注目される。【横山慧】

 ◆さくらシンデレラ 14年10月に活動スタート。名古屋駅前の本拠地「アイドルステージ」で年間1000公演以上を行う。昨年5月にシングル「さくらシンデレラ」でCDデビュー。今後は東京・六本木のニコファーレや新宿ステーションスクエアでも定期ライブ開催予定。現在の正規メンバーは19人。下部組織「さくらシンデレラegg」にも多数メンバーがいる。