歌手生活35周年を迎える演歌歌手鳥羽一郎(64=木村嘉平)の長男木村竜蔵(27)と次男木村徹二(25)が兄弟デュオ「竜徹日記(りゅうてつにっき)」を結成することが7日、分かった。竜蔵は既にシンガー・ソングライターとして活動中だが、徹二はこれが芸能界デビューとなる。

 この日、鳥羽のライフワーク「海難遺児チャリティー漁港コンサート」が岩手・宮古市の重茂漁港の特設ステージで行われた。東日本大震災以降、自粛していた5年ぶり通算87回目の漁港コンサート。鳥羽はヒット曲の数々と夫婦愛を歌う35周年記念曲第1弾「北海夫婦唄」など計11曲を熱唱した。コンサートの途中で「今日は長男と次男が来ています」と切り出すと、ラフな衣装の竜蔵と、初お披露目の徹二がスーツのベスト姿で登場すると約3000人から喝采が起きた。

 デュオ名「竜徹日記」は母親が2人の幼少期を撮影したホームビデオのタイトルから取った。竜蔵は「僕はインディーズから10年ソロでやってきて、ステージで仲間がいればと思うようになった」。前後して徹二が駒大を卒業。ソロ歌手を目指しコンテストなどを受けていたが「演歌では父親に勝てない。父親にない土俵ならいつか勝てるかも」と今年7月末、正式に兄弟デュオ結成を決めた。

 既に2月から2人で歌う映像をネット配信しており、すぐに反響があった。竜蔵は「聴いていただく方の気持ちを2人で作詞作曲していきたい」。この日は遠距離恋愛がテーマの「月のしらべ」や両親への感謝を歌う「みちしるべ」など3曲を披露。兄弟独特の絶妙なハーモニーに観客は聞き入った。

 初共演した鳥羽は「俺には何も相談はなかった」と苦笑いしたが「やる以上、頑張ってほしい。俺もますます頑張る」と刺激を受けていた。「兄弟船」で歌手デビューして35年。父として“兄弟船”の出航を見守る。【笹森文彦】