独特の色彩感覚と様式美あふれる作品で知られた映画監督の鈴木清順(すずき・せいじゅん、本名清太郎=せいたろう)さんが13日午後7時32分、慢性閉塞(へいそく)性肺疾患のため都内の病院で死去した。93歳。東京都出身。葬儀・告別式は近親者で行った。喪主は妻崇子(たかこ)さん。

 1956年に監督デビュー。小林旭さん主演の「関東無宿」や渡哲也さん主演の「東京流れ者」など、斬新な色彩感覚を生かした映画で人気を集め、自らの青春体験を反映させた「けんかえれじい」を発表した。

 原色を生かした映像美は「清順美学」と呼ばれ、「ツィゴイネルワイゼン」で日本アカデミー賞最優秀作品賞と最優秀監督賞などを受賞した。他に「陽炎(かげろう)座」「夢二」などの作品がある。元NHKアナウンサーの鈴木健二さんは弟。