4月30日付で退団する宝塚歌劇団宙組トップ娘役、実咲凜音(みさき・りおん)が6日、兵庫・宝塚大劇場で、サヨナラ「王妃の館」「VIVA FESTA!」公演千秋楽を迎え、本拠地に別れを告げた。

 「本当に、本当に、本当に! 幸せですっ!」

 「でも、まだまだサヨナラは言いたくはないです」

 涙を流しながらも、表情は満面笑み。実咲は感無量といった表情であいさつ。客席に手を振り、相手役を務めてきたトップ朝夏(あさか)まなとに頭を下げた。

 朝夏に向かっては「まあ様(朝夏)にはいつもお世話になりまして、花組時代から本当っにっ! 長い長い時間、すっごくお世話になりました」と感謝した。

 実咲は09年入団。花組に配属。初舞台で共演したのが、朝夏だった。12年5月に宙組へ移り、同7月に前トップ凰稀(おうき)かなめの相手役としてトップ娘役に就いた。15年2月からは朝夏の相手役とし、2代のトップに仕えてきた。

 「凰稀さんに懸命についていこうと必死でした」と言い、4年半を超えるトップ娘役人生の駆け出し時代も振り返った。

 サヨナラ・ショーでは、凰稀と組んだトップ娘役お披露目だった「銀河英雄伝説@TAKARAZUKA」の「蒼氷色の瞳」、朝夏との「王家に捧ぐ歌」から「アイーダの信念」を熱唱。桜木みなとら、同期95期生7人で、思い出の初舞台作「Amour それは…」から「オ・ララ・アムール」を合唱した。

 アンコールにも複数こたえ、最後は、サヨナラ公演でのショーの演目から「YOSAKOI ソーラン」も披露。普段の朝夏に代わって、実咲が音頭をとり「あ~、どっこいしょ! どっこいしょ! ソーラン宙組!」。勇ましくも明るい「ソーラン節」で締めた。

 サヨナラ公演は今後、東京宝塚劇場で今月31日に開幕。4月30日の同東京公演千秋楽をもって、実咲は退団する。