昨年4月に急死した米歌手プリンスさんの一周年を迎える21日、未発表曲6曲を収録したEP「Deliverance」が発売予定となっていたが、プリンスさんの遺産管財人が裁判所の判決をもとに発売を阻止したことがわかった。

 米情報サイトTMZによると、米連邦裁判所は遺産管財人側の要求を認め、アルバムのプロデューサーであるジョージ・イアン・ボックシル氏がプリンスさんの未発表曲を発売することを禁止した。

 連邦裁はボックシル氏は未発表曲を公開する法的権利がないと判断し、残りの未発表曲すべてを遺産管財人に返還するよう命じたという。同アルバムはアップル社iTunesの予約注文チャートで1位となっていたが、19日午後には削除されたという。

 ボックシル氏は数々の有名アーティストたちのレコーディングを手掛けたサウンド・エンジニアで、2006年と2008年にプリンスさんのレコーディングを手掛けている。遺産管財人は、同氏がプリンスさんの音楽の守秘義務に関する協約書にサインしていたと主張している。

 一方、ボックシル氏はアルバムの発売にあたり、声明を発表。未発表曲の発売による収益金のほとんどは、遺産管財人に支払われるとした上で、「現在、世界中で起きていることや、プリンスの1周年ということを考えれば、”Deliverance”の発売はタイムリーだと信じている」コメントしていた。(ニューヨーク=鹿目直子)