韓国の男性7人組ヒップホップグループ「防弾少年団」が2日、大阪・なんばグランド花月で吉本新喜劇にゲスト出演した。新喜劇の定番「ズッコケ芸」を行うなど、日本のお笑いの“聖地”の魅力を存分に味わった。韓国男性タレントの出演は、新喜劇58年の歴史で初めて。

 約900人の客席はいつも通りの満員。普段は訪れないような若い女性たちが客席を埋め尽くした。演題は「すち子の、社員食堂ラブストーリー」。食堂に押し入り拳銃を取り出したクレーマーを見て、居合わせたお笑い芸人、すっちー(45)が「防弾チョッキはないけど、そんな感じの人なら用意できます」。

 その直後に大歓声に包まれながら登場したのが防弾少年団だ。拳銃で撃たれても、弾を手でつかんだり、足で蹴ったり、お盆で打ち返すエア芸で悪者を撃退。すっちーのボケにはオーバーアクションでコケてみせた。最後は新曲「血、汗、涙」のキレキレダンスを披露してステージを盛り上げた。

 終演後、リーダーのラップモンスター(22)は「韓国には、こういうギャグはない。初めてでいい経験でした」。すっちーも「新喜劇の若手でもあんなにガーンとコケない。100点あげます」と絶賛した。すっちーと吉田裕(38)の持ちネタである、胸を棒でいじる「乳首ドリル」芸を間近で見たブイ(21)は、2人に「大好きです。教えてください」と“弟子入り”。すっかり吉本ファンになっていた。

 防弾少年団の日本ツアーは先月30日に大阪公演でスタート。大阪といえば新喜劇と聞いた防弾サイドが、お笑い文化も学びたいと吉本側にオファーし実現した。7月2日の札幌公演まで6都市で13公演を行う。日本の暑い夏を7人の熱いパフォーマンスがさらに盛り上げる。【松本久】

 ◆防弾少年団(ぼうだんしょうねんだん)13年6月「2 COOL 4 SKOOL」で韓国デビュー。14年「NO MORE DREAM」で日本デビュー。5月10日発売のシングル「血、汗、涙」が発売初週で23・9万枚を売り上げ、オリコン週間ランキング初登場1位。先月には米ビルボードの「トップ・ソーシャル・アーティスト」部門をKポップグループとして初受賞。ジャスティン・ビーバーらを押しのけての栄冠だった。現在は日本を含む10の国・地域で約40万人を動員するワールドツアー中。ラップモンスター(22)シュガ(24)ジン(24)ジェイホープ(23)ブイ(21)ジミン(21)ジョングク(19)の7人。