「シカゴ」は「私の生きがいです」と言うほど思い入れの強い作品。カーテンコールではサプライズで花束を渡され、共演したアムラ・フェイ・ライト(56)から「ウエルカム・ホーム!(おかえりなさい)」と声を掛けられると涙があふれた。感激のあまり、自分のあいさつができなかった。「びっくりした。言葉がなくなって、できれば舞台をナチュラルに終わらせるのが一番だと思って割愛させてもらった。でも皆さんに感謝しています」。

 稽古中だった今年5月に「今回が最後だと思っている」と「シカゴ」への思いを語っていたが、この日は「(再び)やりたくなっちゃうんですよね。いつまでたっても、やめたくないなっていう思いでいっぱいになっちゃう。刺激がすごい」と興奮気味に話した。

 来月2日から東京・東急シアターオーブで日本公演を行う予定だ。

 ◆「シカゴ」 75年にブロードウェーのアンバサダー劇場で初演。77年までロングランを記録して1度閉幕したが、96年にリバイバル公演スタート。リバイバル作としてはブロードウェー史上歴代1位のロングラン記録を更新中。1920年代のジャズ全盛時代の米シカゴが舞台。愛人を殺して投獄されたロキシー・ハートが、うそをついて無罪を勝ち取る姿と失ったものを描く。