元乃木坂46深川麻衣(26)がスクリーンデビューすることが22日、分かった。「結婚」をテーマにした恋愛映画「パンとバスと2度目のハツコイ」で、既に撮影は終えている。独自の結婚観を持つ主人公、市川ふみを演じ、映画初挑戦でいきなり主演を務めた。

 ふみは「私をずっと好きでいてもらえる自信もないし、ずっと好きでいられる自信もない」という考えの持ち主。プロポーズをされても、踏ん切りがつかず、別れてしまう。パン屋で働いていると、ある日、中学時代の初恋の相手、湯浅たもつと偶然再会する。湯浅は離婚した元妻を今でも忘れられないが、ふみは「初恋相手は今も相変わらず魅力的」と感じ、2人は微妙な関係になっていく。三代目J Soul Brothers山下健二郎(32)が湯浅を演じる。

 深川は、役柄について「私の周りでも結婚する友達が増えました。そういう点では身近なテーマで、ふみが抱えている疑問や気持ちが理解しやすかったです」と話す。撮影については「会話の間(ま)や言葉の端々にとても優しい時間が流れています。だからこそ、人間の裏で抱えている本音や裏腹さがすごく生々しく見えたりするので、その気持ちのズレを表現するのがとても難しかったです」と振り返る。

 メガホンは今泉力哉監督(36)がとった。2人の起用理由を「深川さんは乃木坂のころから知っていて、その穏やかさ、まじめそうなところ、気をつかいすぎそうなところがふみにぴったりだと思います。山下さんにも同じことを感じていました。すごく誠実で、実直で、どこかチャーミング。たもつそのものだと思います」。

 山下は「今泉監督の世界観を肌で感じる事ができたので自分にとってとても貴重な時間でした。役者をやるにあたって、何かとても大切なものを得た作品だったので感謝しております。自分にはない引き出しが増えたような気がします」と話している。

 来年2月17日に公開されるが、これに先立って、来月10月25日開幕の東京国際映画祭で、特別招待作品として上映されることも決まった。昨年6月にグループを卒業後、女優業を中心に活動を続けている。映画初出演作で初主演、さらに国際映画祭上映と、着実にステップアップしており、今後の活躍が期待される。