7月に79歳で死去した作曲家平尾昌晃さんの葬儀・告別式が30日、東京・青山葬儀所で行われ、約2200人が参列した。五木ひろし(69)布施明(69)小柳ルミ子(65)が、平尾さんが手掛けたヒット曲を披露するなど、にぎやかに送る“歌唱葬”となった。

 多くのヒット曲を生み、明るくにぎやかなことが好きで、朗らかな人柄で親しまれた平尾さんらしく、葬儀は華やかな歌声に包まれた。ステージを模した祭壇は、3万5050本のバラやカーネーションなど16種の花で彩られ、愛用のギターも飾られた。58年の初アルバムのジャケットに使われ、ギターを弾く姿の高さ2・7メートルの写真パネルも置かれた。

 にぎやかな“献歌”の先陣を切ったのは、五木と布施だった。2人は平尾さんの祭壇に向かって並んで立ち、布施の「霧の摩周湖」、五木の「よこはま・たそがれ」をデュエットした。布施は「五木さんと一緒に歌う日がくるなんて」。五木も「自分にとっても原点の曲。いつも平尾さんがそばにいてくれていると思って歌っています」と話した。

 小柳は「先生が師でもあり、親でもあった」と涙ながらにあいさつ。ヒット曲「瀬戸の花嫁」を、九重佑三子(71)に肩を抱かれながら、細川たかし(67)水谷豊(65)中条きよし(71)ら総勢40人と一緒に合唱した。「泣かないようにと思ってましたが、ダメでした。これからも、泣き虫ルミ子を見守ってください」と呼びかけた。

 会葬者には、平尾さんが手掛けたドラマ「必殺仕事人」のテーマ曲「荒野の果てに」「カナダからの手紙」など41曲をCD2枚組にまとめたオリジナルアルバム(非売品)が配られるなど葬儀は音楽であふれた。

 チャリティー活動なども幅広く行い、多くの人に愛された平尾さんを慕い、会場には献花の長い列ができた。喪主を務めた長男の亜希矢(あきや)さん、次男の歌手勇気(36)は「華やかな式だったので、こうして多くの人が来ていただいてうれしい。父の歴史を感じました。遺志を継いでいきたい」と話した。【大友陽平】

 ◆主な参列者 五木ひろし、布施明、小柳ルミ子、田辺靖雄、九重佑三子、柏木由紀子、堺正章、三遊亭円楽、細川たかし、山川豊、水谷豊、中条きよし、大月みやこ、桂由美、中尾ミエ、金沢明子、水木一郎、ささきいさお、アグネス・チャン、錦野旦、モト冬樹、コロッケ、氷川きよし、石田純一、つのだ☆ひろ、山田邦子、湯川れい子、堀尾正明、中山秀征、森口博子、栗田貫一、ミッツ・マングローブ、畑中葉子、青木功、樋口久子、中嶋常幸、丸山茂樹、原辰徳、アニマル浜口、中野浩一、デヴィ夫人、徳光和夫(司会)=敬称略、順不同