元SMAPの稲垣吾郎(43)草なぎ剛(43)香取慎吾(40)が出演したネットテレビ局AbemaTV「72時間ホンネテレビ」は、3人が21年ぶりにオートレーサー森且行(43)と共演したり、さまざまなゲストが出演し番組を盛り上げ、総視聴者数は空前の7400万超とネットテレビ新時代を視聴者に印象づけた。

 テレビ局関係者も、今回の72時間テレビの動向を注視していた。視聴者数の7400万超という数字は無視できるものではないからだ。ただ、この数字は述べ人数であり、地上波の視聴率に換算した場合、1桁、さらに言うと1%台にすぎないという分析もある。

 ネットの世界が沸く一方で、従来のテレビ業界では、21年半の歴史のあるフジテレビのバラエティー「めちゃ×2イケてるッ!」が、視聴率の低迷などを理由に来年春で終了することが発表された。視聴者層や視聴機材などの条件が違うため、完全な数字は出ないだろうし、分析結果も100%うのみにできるわけではないが、「めちゃイケ」は低迷しているとはいえ、「もう少し良い数字を残していたのに…」という見方もできる。

 まだまだ、始まったばかりのネットテレビ。地上波と同じ目線で語るのは厳しいかもしれない。しかし、今回の番組は、元SMAPの3人が出演する上に、制作費なども、テレビ局関係者が見ても、うらやむほどふんだんに使って作られたものだ。スペシャルな人たちが、スペシャルなものを作ったという「規格外な試み」は、確かにネットテレビの可能性を見せられた気がする。

 一方で、番組そのもののつくりは、従来のテレビ屋さんがつくったもので、斬新さや、新しい可能性は感じられなかった。

 そのあたりが、今後の課題になってくるのではと思った。