大阪市と吉本興業は22日、市民サービスの向上と地域活性化を図ることを目的とした包括連携協定を発表し、吉村洋文大阪市長(42)と大崎洋社長(64)が締結式に臨んだ。

 吉本と行政のタッグは6市目で、本拠地の大阪でも、政令指定都市でも初めて。これまでも25年の大阪万博誘致に向け、PR活動で両者はタッグを組んできたが、大阪市は吉本の笑いを通じて、発信力も強化したいと言い、吉村市長は「笑顔で大阪を元気にしたい。本当に力強いパートナーを得た」と語った。

 大崎社長も「朝ドラ(わろてんか)でも描かれていますが、小さな寄席を手に入れてから、大阪の皆さんと歩んできた105年。大阪をもっと元気にすることに力になれればうれしい」と話し、吉村市長とがっちり握手した。

 くしくもこの日「11・22」は、橋下徹前大阪市長が退き、吉村市長が当選した前回の府知事・市長の「大阪ダブル選」からちょうど2年。大阪市内24区の行政割りを見直し、大阪府と一体となって大阪再生を目指そうとした「大阪都構想」についても、大崎社長は言及。「プラスもあれば、マイナスもあるだろう。一概に賛成、反対とは言えない」としたものの、「大阪活性化」へ働く仕組みになるならば、協力する考えはあるという。

 大崎社長は、締結式後、取材に応じ「昔の『大大阪』を取り戻したい。万博はその大チャンス。大阪の会社である我々にとっても大チャンス。万博誘致に成功すれば、全面的に協力したい」と話し、プロデュース協力も惜しまない。

 またこの日は、市内24区に実際に住み、地元をPRする「大阪市24区住みます芸人」もお披露目。芸人たちは、担当の各区で地域との交流をはかり、祭りなどのイベントへ出演し、盛り上げに協力する。

 「-24区住みます芸人」は、地域活性化プロジェクトのひとつで、同プロジェクトのリーダーには、落語家桂文枝(74)が就任。文枝は24区にまつわる創作落語を作ることが決まり、来年3月から、全24区で順次、落語会を開き、発表していく。