役所広司(61)主演のTBS系日曜劇場「陸王」(日曜午後9時)が24日最終回を迎える。ニッカンスポーツコムの「陸王」振り返り特集・第2回は4話から6話をおさらいする。(かっこ内の%は視聴率)

 ◆4話(11月12日放送、14・5%)「こはぜ屋」四代目社長・宮沢紘一(役所広司)は、ソールとして最適な硬さのシルクレイを作ることに成功し、半腱様筋の部分損傷からの復帰途上の茂木裕人(竹内涼真)の足型を取らせて欲しいとダイワ食品陸上競技部を訪ねたが城戸明宏監督(音尾琢真)に一蹴される。

 茂木は、ケガの件が会社に伝わり、労務担当者から引退して社業に専念してはどうかと提案される。さらに、アトランティスの小原賢治(ピエール滝)から契約打ち切りを通告される。そのことで、茂木を支えるシューフィッターの村野尊彦(市川右團次)は茂木の再サポートを訴え、小原と激突して退社する。

 宮沢と村野は、共通の知人であるインストラクター有村融(光石研)の手引で初対面。宮沢は陸王を村野に見せ、陸王と茂木への熱い思いを訴える。村野は熱意に心動かされ、チーム陸王に加入し茂木の足型を提供。試作品を作り、茂木に届ける。茂木は、その軽さに「こんな気持ちのいいシューズは初めて」と喜び、自らサポートを依頼する。

 名せりふ

 <宮沢紘一>「何をばかことを言っているんだと、笑われるかも知れませんが…もし、茂木選手が世界一のランナーを目指すなら、私は、この陸王を世界一のランニングシューズにしたい。それが、私の夢なんです」

 <茂木裕人>「この靴のせいです。走っていて、こんなに気持ちのいいシューズは初めてです」

 ◆5話(11月19日放送、16・8%)宮沢は、茂木から陸王のアッパーが薄く、ぐらつくと言われ素材探しを決意するが、埼玉中央銀行から融資の打ち切りをにおわされる。苦悩の中、陸王のソールなどの技術を応用した新しい地下足袋「足軽大将」を開発し大ヒットさせる。

 製造に追われる中、シルクレイ開発の顧問・飯山晴之(寺尾聡)が、夜道で暴漢に襲われてケガを負い入院。さらにシルクレイ製造機が故障。宮沢の息子大地(山崎賢人)が飯山に代わってシルクレイ作りを進め、飯山から設計図を借り、中央制御センサーの故障を直して危機を乗り越える。銀行からは短期資金の融資しか受けられなかったが、融資課長の大橋浩(馬場徹)から新たなアッパー素材の提供元としてタチバナラッセルを紹介され、新たな陸王を完成させる。

 一方、茂木は、アトランティスからこはぜ屋の経営が厳しいという情報を流され、揺さぶられるが、新たな陸王を届けに来た大地から、こはぜ屋の熱い思いを聞く。そしてニューイヤー駅伝本番で、陸王を履く。

 名せりふ 

 <宮沢紘一>「今のこはぜ屋は泥舟だ。いつか沈むと分かっているのに、何もしない船長がどこにいる!乗組員たちと力を合わせて、生き残る方法を探して、努力するのが当たり前じゃないか!」

 「私たち、こはぜ屋は、あなたを見捨てるようなことは絶対にしない。約束します」

 <宮沢大地>「確かに、こはぜ屋は小さな足袋屋かも知れません。でも、100年間、技術を守り抜いてきた、諦めの悪い人たちばかりなんです。だから、そう簡単には絶対につぶれません。こはぜ屋を信じて下さい。お願いします」

 <飯山晴之>「もう、とっくに見つけてるんじゃねぇのか?」

 <大橋浩>「新しい陸王、完成したら…私、買います」

 ◆6話(11月26日放送、16・4%)茂木はニューイヤー駅伝6区に陸王を履いて臨んだ。強風を逆手に取ってライバルのアジア工業・毛塚直之(佐野岳)を抜き去るなど脅威の5人抜きの快走で、陸王の公式戦デビューを飾った。

 宮沢は陸王の市販を開始するが、レース後に毛塚の体調不良ばかりが報じられ、売れ行きは全然伸びなかった。ショックを受けた一方で、芝浦自動車陸上競技部員の彦田知治(菅谷哲也)ら有力選手が次々、サポート契約を申し出てくる。

 一方、アトランティスはこはぜ屋つぶしに動き、こはぜ屋にアッパー素材を提供してきたタチバナラッセルと独占契約を結ぶ。大地は新たなアッパー素材を見つけると宮沢に誓う。

 名せりふ 

 <宮沢紘一>「同じ仕事でも、ただ金のためにやらされるのと、一緒に同じゴールを目指して挑戦するのとでは全然、違う。そこには絆が生まれる。その絆が、次のビジネスチャンスを生むんです。いい年をして、やっと、そのことに気付いたんです。陸王が教えてくれたんです。だから、私はまだ諦めませんよ」

 <飯山晴之>「勝ち続けるしかねぇんだ。勝ち続けて本物だと認めさせるしかねぇんだよ」